エブロ 1/43 ニッサン シルビア ターボC '83
”シルビア”とは名ばかりの、実体はマーチ83Gですが、販売戦略として、シルビアでレースをしているというイメージを造りたかったのでしょう。スーパーシルエットから引き継いだ稲妻ストライプに青を配し、ウイングも青にしてバランスを取っています。そしてライト周りにシルビアのスモールランプやバンパーなどのグラフィックを描き、テールランプも凝ったデザイン。又ドアハンドルに市販車の部品を使っているようで、シルビアらしさを演出する努力が微笑ましいです。スポンサーの”日本ラヂエーター”(現カルソニックカンセイ)の社名も懐かしくて昭和を感じます。クルマ自体は先に発売されたマーチ85Gのご先祖で、共通の設計思想が随所に見られます。見所は無理矢理日産エンジンに対応させるための熱対策の数々で、変な所に付いている蛇腹ダクトや、背中から飛び出すオイルクーラー。又左リアタイヤ直後から排気するという、とんでもないレイアウトによる、その上に無数に開けられた水玉模様みないな穴。このアッチッチーなリアカウルに書かれているのが「ニチラカーエアコン」というのも洒落が利いています。こんなクルマではグループCのお手本、ポルシェ956にとてもかなわない亊は素人目にも明かですが、その後のルマン挑戦、更にポルシェやトヨタを負かしてからのJSPC制覇などの躍進は、このクルマから始まって行ったと思えば、忘れてはいけない一台といえるでしょう。
TLV 1/64 トヨタ セリカ 1600GT-R '84
この当時は勤め始めたばかりの頃で、自分で初めて買ったクルマもセリカでした(でも76年式LB1600ST)これはグループBのベースにもなったクルマですが、マイナーチェンジ後のモデルのため、すこし印象が異なります。この時期の特徴として直線的なデザインが流行り、スカイラインなんかも角張っていました。そしてスーパーカー世代には見逃せない、リトラクタブルライトが装備されているのもポイントです。(しまいには、カローラIIなんかにも付いていましたね)。気になるのはGT-Rというグレード名ですが、この当時日産のGT-Rが空位?!だったためで、確かマツダRX-7のグレードでもあったと記憶しています。セリカは初代のイメージが強烈で、こういった中途半端なクルマは埋もれがちですが、青春時代の最新モデルは、当時の状況と併せ心の片隅に残っています。