スパーク 1/43 日産R86V No23 LM'86
日産Cカーの中ではローラ系に比べ、今一商品化の少なかったマーチ系のCカーも、このところ充実して来ました。86年は、日産の記念すべきルマン挑戦初年度となりましたが、相方のR85V(マーチ85G)は何とか完走を果たしました一方で、新型の本車は、本格的な夜を前にリタイアという残念な結果となっています。同レースの他の話題としてはメルセデス(ザウバー)、ジャガーの本格的復帰、マツダの新型757投入など盛り沢山だったものの、これらライバル勢は様々な問題を抱えており、憎っくき?!ポルシェ6連覇と上位独占を許してしまいました。
それにしても、この頃のクルマは今でもカッコいいと感じます。反面、当時はプラモの発売がほとんど無かったため、五反田のコジマさんで、作れないのにPVMやスターターのキットを買い漁ったものでした。そのPVMのキット以来、21世紀初の商品化となるR86Vです。マーチのCカーは前年の85Gまでは、様々なエンジンを搭載出来る設計でしたが、86年車からは日産エンジン専用の仕様となりデザインを一新。最大のポイントは、ノーズからドア後へのラジエターの移設で、顔付きもガラッと変わりました。又エンジンを含むトータルパッケージでの攻めた設計のためか余計な凸凹や開口部が減少し、実にスムーズな、悪く言えば面白味のないスタイルになっています。とはいえ、これはあまり魅力のない(失礼)カラーリングも影響していると思われ、改めて見直してみると、フロントフェンダーからドアのラジエターインテークへと続くラインのエグれ具合など中々です。そしてルマンに合わせたと思しきロングテールは、あまり効果が無かったのか、87年車では大きく切り詰められてしまうので一代限りの美しさ。ライト上下にテーピングされ、いやらしい目付き?の昼間仕様なのは夜を、更には日の出を見られなかった哀しさを表現していると言ったら考え過ぎでしょうか。ドライバーには”日本一速い男”星野一義と、後のF1パイロット鈴木亜久里らが名を連ね、バブル前夜、日本のレース界国際化の夜明け前に浮かれていた頃が思い出されます。そして翌年は鈴鹿で日本GP開催へと突っ走って行きました。