2014年1月29日水曜日

ナカタトシアキの気になる新製品

イクソ 1/43 トラバントP601 No125 MC95
敗戦後東西に分割されたドイツがベルリンの壁崩壊等に象徴される冷戦の終結により、統一へと動き出した1989年、その当時の東ドイツの状況を表すのに、しばしば取り上げられたのがこのトラバントで、話題性もありミニカーも各社から発売になっていました。曰くボディは段ボール(FRP!?)製だとか、ライトを上向きにする時はクルマを降りて手で動かすなど、数々の伝説?を持つ大衆車です。製品は最新の物だけあって、といっても元々素朴なスタイルなのでほのぼのとしたムード(何となくパブリカみたいです)。ラリー仕様とはいえ外回りはほぼノーマルで、室内もセミバケットタイプシートやロールバー程度の最小限のチューニング。トップカテゴリーのスーパーマシンに比べると、実にアマチュアリズムやオリンピック精神にあふれたエントラントです。そういえば昔のテレビドラマや若大将シリーズなどで一時期ラリーを取り挙げる流れがあり、普通のセダンにゼッケンを付けてラリーするシーンが見られましたが、丁度そんな塩梅のクルマです。

イクソ 1/43 メルセデスベンツSLS AMG 2010
そして西ドイツだった方のメーカーが最近発売したのは、実用で一杯一杯のトラバントとは対極のカッチョいいスーパーカーです。ベンツというと田舎では、お医者さんや893な人のクルマというイメージが根強いのですが、一方でこんなすごいクルマを造っているのは忘れがち。名車300SLのコンセプトを現代に復活させたスタイルはとてもダイナミックで、ツヤ消しメタリックグレイのカラーは、ちょっぴり悪のイメージを演出。この塗装のためか見る角度によって微妙なラインが浮かび上がって来るのも味わい深いです。こういうクルマを発表出来るのは、メーケーとしてのはっきりした”顔”を持っているからこそで、又それは過去に生み出したクルマへの誇りであり、技術者達への敬意であり、モノ造りに対する自信の表れなのでしょう。欲をいえばドアが開いたらいいなと思いますが、そのうち他のメーカーがやるかも知れませんね。そして我が日本のクルマには”顔”が無いなどという話もありますが、こういう企画は日本のメーカーでは無理でしょうか。