2015年5月4日月曜日

ナカタトシアキの気になる新製品

スパーク 1/43 フットワークFA12 No10 カナダGP'91
思えばこのシーズンの話題の豊富なこと。ついにマクラーレンはホンダV12、ティレルにホンダV10の供給。大型新人M.シューマッハのデビュー、復活のヤマハはV12をブラバムに供給。新チームジョーダンに加えランボルギーニ(モデナランボ)のF1参戦。日本人ドライバーは、中嶋 悟、鈴木亜久里の2名で、更にスポット参戦の服部尚貴(予選落ち:コローニ)等々、バブル絶頂期もありジャパンマネーがF1界に大量に流入しました。そんな中、日本の運送会社に買収された形の
アロウズは、チーム名もフットワークに変更。ポルシェV12エンジンの独占供給を受けることが決定し、専用の新車も開発され、開幕前には他チームに負けないくらい注目を集めました。そして出来上がったクルマは、結構個性的なスタイルを持ち、ノーズ先端の一本柱に吊り下げられたウィングやメッサーシュミットBf109のエアインテークみたいな真ん丸のインダクションポッドが目を引き、V12なのにリアカウル周辺もスッキリまとめられ後端の絞り込みキツさなど中々でした。ところが、走らせてみたら全然駄目で、肝心のエンジンは重量過多に加えパワー、信頼性共に不足のシロモノ。かつてマクラーレンと組んだ時の栄光は見る影もなく、チームは第6戦限りでポルシェを諦め、コスワースDFRへと先祖帰りの有様。以後も予選落ちやリタイアを繰り返し、無得点のシーズンを終えました。流浪のF1ドライバー、ステファン ヨハンソンはシーズン当初AGSからの参戦でしたが、負傷したA.カッフィの代役でカナダGPから4戦の間フットワークをドライブ。しかし予選通過はこのカナダGPのみ(リタイア)で、ポルシェエンジン一応決勝出走の貴重な?記録を残しました。スピリットホンダでF1デビューの後、日本のF2などでも活躍して馴染み深く、フェラーリやマクラーレンにも在籍(最高位2位)したヨハンソンは、束の間フェラーリ時代のチームメイトM.アルボレートと運命?の再会を果たし、走らないクルマで苦労を共にしました。もしフェラーリかマクラーレンで1勝でも挙げておけば。その後のF1人生も変わっていたのか?!否、何に乗っても速い才能は又器用貧乏でもあり、強烈な個性渦巻くF1サーカスでは花開く事なく埋もれて行ったのですね。いとあわれ。