スーパーカーブームも末期になると、色々なところからネタを探し始、終いにはトライアンフTR7やフィアットX1/9もスーパーカーの仲間にしてしまう様な強引さでした。でも、やはり横綱はカウンタックという中で登場した謎のスーパーカーは、同じランボルギーニを名乗りながらも、コンセプトカーの宿命か当然主役とは成り得ず、忘れ去られて行きました。製品は、その幻のクルマを自由な角度から出来、ブームを語る上で欠かせない”ベルトーネ道のエッセンスあふれる一台。全体としては、実用のために断念したカウンタックプロトタイプのシンプルなフォルムの追求、それにプラスしてストラトスのDNAも感じられ、俯瞰するとフロント&リアフードに刻まれた44個ものコの字型アウトレットは、あのアリタリアのデカール貼り時にイラッとした、フロントカウルのスリットを巨大化させた様にも思え、実車写真では窓が濃いスモークのため内装が見えにくく、バックミラーやワイパーが無いことも手伝って、カウンタック以上に謎の円盤UFO完が半端ないです。その一方で、サイドビューやテールエンドは、あっさり目にしてメリハリを付け、ホイールはあのLP500Sに採用されたリボルバータイプのデザイン等々、手に取ってみて独特なスタイルを再認識させられます。
スパーク 1/43 ヘスケス308E No24 ベルギーGP '77
WWIIの戦闘機や爆撃機には、機首に女性のイラストを描いた物が見受けられました。いわゆる”ノーズアート”ですが、それのF1バージョンです。タイレルみたいな青色ベースにコクピット周辺のお姉ちゃんイラスト3人分は中々のインパクト。もちろん成績は、お姉ちゃんの分重量増で今一今二。当時のレース漫画「赤いペガサス」では、モナコGPで海にダイブという、いじられキャラにもなっていました。(映画”グランプリ”が元ネタ?!)。最大の関心事であるお姉ちゃんイラストは、小さいながらテナリブ(フランスのキットメーカー)のキットのデカールよりも格段に上々出来映え。ドライバーは、レーサーの中でも凄い大酒呑み(津川哲夫談)というルパート・キーガンで、青いクルマに対し赤いスーツにオレンジおヘルメットが、地味になり過ぎずいい感じです。勝負とは勝ち負けと書き、勝ったクルマの影で数多くの負けたクルマが有り(もちろん自分も負け組の一人)、歴史の中に埋もれて行きますが、たとえ未勝利でも忘れられない名脇役は、人それぞれの心の中に残っていることでしょう。そういえば同時発売シャドウDN9のカラーリングは、結構”赤いペガサス”してました。