2015年3月4日水曜日

ナカタトシアキの気になる新製品

スパーク 1/43 マクラーレンM16  No85 インディ500 '71 D.フルム

フルムかハルムか?!彼との出会いは、75年版タミヤカタログが初でした。マクラーレンM23完成品の傍らに、タバコの箱と二人のポートレート。片や類人猿のエマーソン、そしてもう一人のハゲた「じいやあ」みたいな人物こそ、D.フルムその人でした。昔のレースカーの運転は、それこそ土方仕事で、毛むくじゃらの怪力ゴリラタイプハゲた大人っぽい方も結構見受けましたね。思えば60~70年代頃は、F1とインディカー間の人とクルマの交流が多く、互いに影響を受ける中で、ロータス56BなどほぼそのままF1に出走した例もあったりしました。お題のマクラーレンも、後のM23へと続くラインの基本が出来上がっていて、並べてみると色々発見が有りそうです。直線的なデザインと、エンジンカウルからウイングへと継がる未来的なフォルムの反面、左側のみのバックミラーや、パイプを溶接しただけのロールバー、横に飛び出したターボユニットなど、ワイルドさも同居の70年代風味。またボディ色のオレンジの色合いに説得力があり、自分で模型を作る際に勉強になります。とかくカーモデルには派手な色合いを使いがちですが、旧日本軍の”桜橙色”の様な雰囲気(思えばガルフカラーの水色も、ちょっとくすんでいました)南半球から渡欧したメカニック出身の苦労人D.フルム。若手の頃はブラバムでワールドチャンプも経験し、以後マクラーレンの主要メンバーとして活躍。B.マクラーレン亡き
後も、彼の名が残るように段取りを付け帰郷。その後はツーリングカーレース中心の活動で。富士のインターTECへも来日して元気な姿を見せていました。最期は、オーストラリアでのレース中に心臓発作で他界と、一生現役を貫いたレーサーとして、私の好きなドライバーの一人です。




トミカ 1/67 ランボルギーニ ヴェネーノ

オトナの事情で発売出来ないフェラーリはともかく、ランボルギーニの各モデルは、トミカでも盛んにリリースされています。鋭いエッジは御法度のトミカですが、実に巧に実車の特徴をとらえていて、小さいのにケレン味たっぷりなスタイルをうまく再現。ところで、最近の仮面ライダーは自動車に乗るそうですが、そのライダーやバットマンが乗っても負けないくらいインパクトが有り、ノーズ周辺の造型には何となく”マッハ号”を感じます。ボディ色はライトガンメタと初回限定のイエローパール共に中々なので、思い切って?2個買いし「ランボルギーニを2台買ってやったぜ!!」と、お友達に自慢しちゃいましょう。

2015年2月4日水曜日

ナカタトシアキの気になる新製品

エブロ 1/43 トヨタ イクザワ85C '85WECジャパン富士
昔は国際レースで日本企業の広告を見掛けると、誇らしい気持ちになり、折しも”ジャパンアズナンバーワン”などという流行語もありました。そして後のバブル景気の時には、訳の分からないクソ会社のカタカナや漢字が狂い咲き状態となり、閉口したものです。ともあれそんな事とは関係なしにスポンサー活動を続けていた企業の一つがキャノンで、個人的にはウイリアムズF1チームへの永年のスポンサードが印象深い。カメラメーカーが被写体を提供する立場になるというのも、面白い試みだと思います。グループCのキャノンカラーといえば、ロイドレーシングのポルシェ956が有名なものの、他のローラニッサンなどや、この度の新製品、チームイクザワのトヨタ85Cといたった日本勢は少々埋もれがち。キャノン側のデザインと思しき赤白カラーリングは日の丸を連想させ、基本的には各社共通ですが、チームイクザワびクルマは、側面の赤を省略して白の面積が多く、ルーフ周辺の赤との対比で生沢選手の丹頂ヘルメットのイメージを狙っている様に感じられます。国際派で、かつてF1に最も近付いた男「生沢 徹」、彼に敬意を表した演出だと考えるのは深読みでしょうか。




スパーク 1/43 ブラバムBT33 No12 南アフリカGP'70 優勝車
チーム創設者ジャック・ブラバムが地震の名の付くクルマで最後に勝利したメモリアルマシンです。大昔、エレールから1/24のプラモも出ていてましたね。ボディカラーは青は何ともいえない色合いで、実車の感じが良く出ています。ブラバムのクルマは、同時代のライバルと比較しても、堅実で無骨な印象。後のバーニー・エクレストン政権のスタイリッシュなクルマたちとは大違いです。まだスポンサーカラーもなく、気休め程度のウイングに少し近代化の息吹を感じるものの、エンジンは丸見えで、ギアボックス周辺のバッテリーやオイルタンクなどの、ゴチャゴチャと整理されていないレイアウトに加え、恐らくアスベストなどを使った耐熱塗装の白い排気管もいいアクセントで、意外に見所たっぷり。そして、やはりこの手のクルマにはジェットヘルメットのドライバーが似合いますね。最後に、この次のモデルBT34は割と奇抜なスタイルで、TVアニメ「ルパン三世」の第一話”ルパンは燃えているか?!”には、悪の組織の量産型としてゴロゴロ出て来ます。(偽物だけどJ.スチュワートやD.フルムなども登場)余談はともかくそちらの発売も期待しています。




2014年12月27日土曜日

ナカタトシアキの気になる新製品

スパーク 1/43 ホンダN360 クラシック チームロータス
元祖”ロータスホンダ”は只の軽トラです。以前発売の'79シーズン限定カラーの緑色に対し、おなじみ黒金JPSカラーは色々な年代のクルマと並べられて結構です。積荷としてタイプ78のリアウイングや、タイヤ4個が付属しますが、ホイールはロックナットが付いた状態なので、くり抜いてやれば尚いいでしょう。ところで、ベースのクルマの造型について気になる事を少々。現物が手近に無かったので比較出来ないのですが、エ◎ロの製品に似ている気がします。スパークは過去に◎ブロとの間で”前科”が有るので油断できませんな。それはともかく競技車輌に加えて、こういう裏方さんを取り上げる試みは、実にユニークです。

TSMモデル 1/8 ヘルメット ニキ・ラウダ 1984
最近公開された映画などの効果もあり再び注目のニキ・ラウダですが、その後の79年に一度引退し、82年に復帰後、三度目のタイトルを手にしたのは84年。速さで上回るチームメイトの若手アラン・プロストを退けての栄冠でした。多くのスポンサーロゴに囲まれたクルマやスーツの中でも、ヘルメットは数少ない自己主張の場で、ドライバーのもうひとつの顔ともいえるパーツです。側面にイニシャルのLマークを大きく配し、全体の赤白の色使いは、オーストリア国旗に通じるものなのでしょう。この様に昔のヘルメットは、ドライバーの顔と共にすぐ想い浮かびますが、最近の複雑な柄は全く覚えられず、つくづく年取ったのを実感します。

今年気に入ったミニカー
エブロ 1/43 トヨタ童夢85C「ワコールカラー」
スパーク 1/43 リジエJS7 '77スウェーデンGP 優勝
TLV 1/64 いすゞ117 クーペ
好みがグループCカーやクラシックF1に偏っているのがよくわかります。さて天皇誕生日もクリスマスもいつも通り仕事で、正月も近付いて来ました。増税にめげず無駄遣い、自分へのプレゼント?の一年も残り少なくなってきました。

2014年12月3日水曜日

ナカタトシアキの気になる新製品

ブルム 1/43 フェラーリ312T4 モナコGP'79 優勝
ブルムと初めての出会いは30年くらい前、恵比寿の某ショップでの126C4が始まりでした。以来現在でも、こだわりのイタリア生産の変わらぬ作風が続いているのは何ともうれしく、マイペースな展開にも少しホッとします。製品は、ルールの隙を突いて車体全幅のウイングを前寄りに配置した、モナコ仕様がえせマニア心をくすぐり、上から見るとドライバーの足先がチラリと確認出来,上部の開放されたコの字断面のモノコックや、異常に前進したコクピットのレイアウトなどを再認識させられ、何ともスリリング。ドライバー人形も、シェクターが好んだヘルメットのスカート(よだれ掛け?)をちゃんと再現していて、当時の空気を感じさせるのはナイスです。それにしても、チャンピオンカーで成功作なのにかかわらず、312Tシリーズ末期のクルマは個性的なんだけど、あんまり美しくないなと感じます。かつては暴れん坊のイメージが有り、タイレル6輪やウルフでの活躍の後、フェラーリのエースにまで昇りつめ、ついにはワールドチャンプとなったジョディ・シェクターでしたが、翌80年の312T5が駄馬だったために予選落ちを喫するなど、前年から一転して散々のシーズンを過ごして引退と、一気に70年代を駆け抜けて行きました。

トミカ・ビンテージ 1/64 いすゞ 117クーペ
小学生の頃、このクルマを外車だと思っていました。私の実弟が以前117クーペ(角目4灯最終モデル)の不動車を再生しようとしていた事があって、実はちょっと身近だったりします。昔のトミカも中々の名作でしたが、最新の技術で作られた製品は、小さいながら立派な存在感。特徴的なウインドウ周辺は、ピラーなどもスッキリまとめられ、スケール感を感じさせない仕上がり。エンジンフードやトランクなどに見られる何とも言えない微妙な曲線も、雰囲気が出ています。昨今の無意味なプレスラインや、エッジを多用したデザインに比べ、シンプルながら主張のある造型が素晴らしい。まだコンピューターが未発達な時代は、粘土などを使って、手探りで作って行ったものと推察しますが、現代では無理な事なのでしょう。マニアック過ぎたり、メーカーの力関係などから、あまり注目されないいすゞ車ですが、この調子で、フローリアンやベレル、ユニキャブなどもラインナップに加えていただける様、気長に待っております。

2014年9月3日水曜日

ナカタトシアキの気になる新製品

AMIE 1/43  FAB-1 ペネロープ号
最近のCMで真ピンクのクラウンが話題になっていましたが、SF人形劇の名作サンダーバードに登場するこのクルマは、その先取りの様なスーパーカーでした。製造メーカーは何とロールスロイス社で、劇中でも「ロールスロイスでドライブに行きましょう(英語版)」といった台詞が出て来ます。屋根はジェット機の風防みたいなドーム状の総ガラス張りで、日本の夏だと死にそうですが、きっとUVカットの特殊防弾ガラスと強力なエアコンにより、快適に過ごせるのでしょう。タイヤは某F1の様に6輪で、併せてライト類も6個ずつという6へのこだわりは深読みするとこっそり”サンダーバード6号”をアピールしているのかも知れません。又時代性か、ライトやフロントグリルから飛び出すマシンガンや煙幕発生装置などボンドカー顔負けの仕掛けの数々も愉快でした。製品は実際に人形を乗せられる大型の小道具を参考に製作されているようで、室内の装備も映像から読み取れる物をひととおり再現してあり、更にペネロープとパーカーのフィギュアがムードを盛り上げ、劇中での二人の緩ーーーーい掛け合いが思い出されます。気になる点は、大人の事情でロールスロイスのマークが付かないこと、ここは何としても、お手持ちのトロンのエンブレムデカールなどを貼ってやりたいところ。もう一つは後部のアンテナがカーブしていますが、写真や映像を見る限りストレートな方が多いようです。この機会ですので久々にサンダーバードを観てみました。手造りの特撮や小道具の温もり、過ぎ去った未来=夢の21世紀への憧れや期待など、心地よいひとときでした。尚現在では原語版でも視聴でき、英国作品で子供番組な事もあり、その聴きやすい英語はス◎ード◎ーニングよりためになるかも知れません。今や私共の周辺の世代にとってこの時期のテレビ番組は、クラシック音楽や歌舞伎と並ぶくらいスタンダードナンバーになっています(ウルトラマンなどはご神体です)。それにしても、50年前の番組が商売になるなんてすごい事なのか、我々の年代が執念深いのか、正に三つ子の魂何とやらです。

2014年7月9日水曜日

ナカタトシアキの気になる新製品

先頃、自分探しの小さな旅をしたり少し体調をくずしたこともあり、間隔が開いてしまいましたので2ヶ月分の凝縮番になります。

スパーク 1/43 アルファロメオ179C No22 ロングビーチ 4位 M.アンドレッティ

一見すると偽マクラーレン風で走行中は誤認も懸念されますが、グラマラスなスタイルと大きなフロントウイングのためその心配は無用です(むしろ82年型の方がマクラーレンにクリソツだったりします)。
78年F1ワールドチャンピオン、マリオ・アンドレッティの81年はアルファロメオからのエントリーでしたがベストリザルトは開幕戦の4位のみで次戦以降ノーポイントのレースが続きます。映画ウイニングラン【'83伊】でのクラッシュシーンもこのシーズンの不振を象徴しているようです。
ともあれ、不調の原因は新レギュレーション対応出来なかったクルマにも有ると考えられ翌82年代走のフェラーリでスポット参戦のマリオはイタリアGPでいきなりポールをゲットするなど元ワールドチャンピオンの貫禄を見せつけました。
179Cといえばプロター1/12蛍光レッド成型の壮絶なプラモを思い出しますが、こうして手軽に完成品をみられるのは有り難い事です。マクラーレンと同じ紅白カラーでもラテン系は四つ葉のクローバーやお馴染みアジップマークなどで華やかなムード。今や洋モクの代名詞として定着したマルボロカラーですがかつてモータースポーツ界を席巻した紅白をサーキットで見掛けなくなったのは煙草を喫らない身にも少し寂しさを禁じ得ません。

TLV 1/64日産IDX フリーフロー '13東京モーターショー
現代のクルマの性能は技術の進歩でどのメーカーも似たり寄ったりならば後はいくら頑張っても空は飛べないので戦略として他社との差別化を図るにはブランドイメージ造りが大切なのでしょう。
かつてのベストセラーでサファリラリーや裕次郎の映画でも有名なブルーバード510系のスタイルを現代風にアレンジしたコンセプトカーとなっています。ところでブルーバードもいつの間にか無くなってしまいましたが、個人的に印象深いのはジュリーがCMに出ていた頃でしょうか。
クルマを観察すると、少しローレルの面影も感じられ中々やるなと思える出来映え。
ボディカラーはあのサファリブラウンを意識しているようで屋根やボンネットを白っぽく塗り分けたりツートーンカラーは昔流行った=今となっては意味わかんないレザートップをイメージさせています。バックミラーをドアに付けず少し前に出してフェンダーミラーを狙っているのも憎い。このクルマの市販化は恐らく無いと思いますけれどホンワカした優しい形のクルマだけでなく、カッコいい所有する喜びを味わえるクルマを今後も開発していただきたいものです。

2014年5月7日水曜日

ナカタトシアキの気になる新製品

ミニチャンプス 1/43 ロータス・ルノーE21 K.ライコネン オーストラリアGP'13 ウイナー

開幕戦に優勝を飾ったチームなのに、シーズン終盤には金銭トラブルでドライバー離脱など、目を覆いたくなる惨状。「ロータス」を名乗るチームの低迷振りは、オールドファンには悲しい 事でしょう。(かつてのブラバムもひどかった)。もっとも「ロータス」とは名ばかりで、遡ればルノー、ベネトン、トールマンとなります。まるで元無双山が、一門や伝統と関係なしに藤島親方になっちゃったのと、何となく似てますね。今シーズンのF1も何レースか消化し、目に付くのはメルセデスの強さ、気になるのは各クルマの妙な形状、ターボ化による音の変化などでしょうか。こうして昨年型のマシンを観察していると、馴れたせいか今年のクルマよりカッコよく見えて来ます。製品はウイニングマシンの特別仕様で、ドライバーの右手が小さくガッツポーズ。しかし少し野口英世気味のためか、当初は謎のデバイスが飛び出している様に見えました。不可解な段付きノーズや、リアタイヤ前方から排気する恐ろしいレイアウト。いつの間にか面倒くさい形状に戻って来たフロントウイングなど、昨シーズンのトレンド満載。タイヤには左右のマーキングや、ドライバーのイニシャルといった現場処理の書き込みが表現され、レースの雰囲気をさりげなく演出。それにしても、これからロータスはどうなってしまうのでしょうか。

エブロ 1/43 いすゞビークロス 1997
「いすゞは無個性な車はつくらない」というキャッチフレーズがあったそうです。2002年で乗用車の製造を終了し、今やお若い方々はトラックメーカーだと思い込んでいるいすゞのクルマは確かに(人気はともかく)忘れられない物ばかりです。個人的には,117クーペやフローリアンなどに、日本車としては最後まで装備されていた三角窓へのこだわりが印象深い。そのいすゞが97年、世に問うた野心作こそお題のビークロスで、コンセプトカーをそのまま市販化した様なスタイルは未来的でもあり、無改造でウルトラ物の劇用車に使用されたほどです。実はウチの近所に熱心な愛好家が2名ほどいらして、現在でも時々走っている姿を見掛けます。これまでタミヤのプラモデルくらいしか無かったビークロスのいすゞマニア待望の新製品がエブロから登場です。タミヤイズムのDNAを受け継ぐエブロだけあって、プラモと比較しても、プロポーションの捕らえ方など似ている感じです。室内の派手なシート柄もバッチリですが、じっくり覗いてみると、センターピラーいシートベルトが。同様に後席のベルトも再現され、よく見えないインテリアにまで力を入れているようです。レース用ならいざ知らず、市販車の3点式ベルトは、オープンモデルでも普通に省略されていただけに、ちゃんと付いているのはちょっと感心です。とはいえメーカーとしては手間が増えてしまうわけで「あんまり無理すんなよ」という気持ちもあり少し複雑。